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[事例71]地縁団体と思われる土地の調査について
[質問事例]
土地の所有者が相続登記されていない場合、相続人を調査し、関係者全員に立会通知を発送し、立会を行うこととされているが、自治会集会所敷地や、神社境内地については、所有者を調査すると明治時代等の古くからの名前のまま登記され、相続もされていないものが多く見受けられる。これは従来、自治会は法人ではなかったため、自治会が所有する不動産でも自治会名義で登記できず、代表者の個人名義(当時の自治会長)や役員の共有名義で登記が行われていたためと思われる。平成3年の地方自治法改正により、現在では地縁に基づいて形成された団体(いわゆる地縁団体)は、地域的な共同活動のための不動産又は不動産に関する権利等を保有するため市町村長の認可を受けたときは、自治会名義で登記申請できるようになったが、従来、自治会所有の土地でも、「所有者 ○○自治会」で登記することができなかったことから、現在の登記名義が当時の自治会長や自治会役員のままとなっているケースと考えられる。以上のことから、地元住民が公共的に使用している土地(具体的には上物として集会所が建っている土地、上物が無くても自治会で清掃等の維持管理をしており、自治会員のために使用されている土地等)については、相続関係人の調査を省いて、現在の管理者・責任者に立会を依頼しても問題ないものと考えるが、他の市町村ではこのような場合、どのような調査及び対応をしているかご教授いただきたい。
[回答事例]
この事案では、認可地縁団体としての登記がなされていないので、未登記の土地として管理者又は責任者を準則第20条の「土地の所有者」とするとの考えもありますが本件は、個人名義での登記がされているので、所有者として立会を求めるには無理があると思えます。この土地が集会所等の敷地として使用されていること又は、自治会員のために利用されている経緯、すなわち個人名義で登記された当時から、地縁団体の所有地であり、登記名義人の個人であった土地がその後の売買や贈与等によって地縁団体に権利移転がされていないことを精査する必要があります。現地精通者等に話を聞きその内容及び地籍調査実施主体の判断根拠を地籍調査票の摘要欄に記載します。(自治会所有という内容)また、当該地縁団体に認可地縁団体への認可手続き及び登記申請させることの検討も必要と思えます。